2024年


ラボ不確かさ研究委員会日空研開催

2024年12月

COVID-19のパンデミック以降、しばらくの間オンラインで行っていたラボ不確かさ研究委員会が、およそ5年振りに日本空調冷凍研究所(以下、日空研)で11月28日に開催され、13名の委員が参加しました。

以前、計測機器メーカーや計測機器の校正を行う試験所の見学を行って来ましたが、今回は、日本規格協会グループに依頼し、国立研究開発法人産業技術総合研究所からの講師派遣による測定の不確かさに関する講演を同委員会の中で開催しました。

講義は「不確かさ評価の基礎と実際」と題し約3時間行われ、測定の不確かさの基礎から、具体例による評価方法、不確かさ評価に用いるバジェット表などの説明があり、委員から活発な質疑が行われ充実した講演会になりました。

ラボ不確かさ研究委員会の様子

ブラジル省エネ協力事業メンバー御来所

2024年12月

経済産業省とブラジルの鉱山・エネルギー省(MME)との間の協力事業において、一般財団法人省エネルギーセンター(ECCJ)が委託された業務の中で、業務用空調機の省エネ性能試験方法について、日本の規格や実施されている試験方法の調査のため来日したメンバーが、11月26日に日本空調冷凍研究所(JATL)を訪れ、ビル用マルチシステムの事例を中心に研修を受けました。昨年2月にJATLで行ったブラジルにおける家庭用エアコンの省エネラベリング制度の実施に伴う研修に続き、JATLで2度目の研修となりました。

ブラジル政府関係者6名(MME、INMETRO)、ブラジル試験機関から4名(LABERO/PUCRS、SGS Brazil)が、ECCJのご案内で来所され、当所の業務用エアコンの試験設備に設置されたビル用マルチシステムを用いて実務研修が行われました。質疑応答では、試験方法だけではなく、日本の業務用エアコンの検定制度についても多くの質問があり、実践的な研修を行うことができました。

*INMETRO(国家度量衡・規格・工業品質研究院)
*LABERO/PUCRS、及びSGS Brazil:ブラジルの試験機関

研修の様子
ブラジル政府関係者6名、ブラジル試験機関4名都の集合写真

検定証はどんな意味?

2024年12月

エアコンの製品表面に、「検定証」と書かれたマーク(下図)が表示されているのを見たことがありますか? このマークは、日本冷凍空調工業会(JRAIA)が、空調機器の性能を担保する制度として1978年に設立した性能検定制度に合格している機種に表示されています。このマークが2024年10月から下図のようにデザインが統一されました。

RACの室内・室外機の状態のイメージ

この性能検定制度は、ルームエアコンから始まり、以降、業務用パッケージエアコン、家庭用ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、及びガスヒートポンプ冷暖房機(GHP)に拡大され、運用されています。

日本空調冷凍研究所(JATL)は、この性能検定制度に大きく関わっています。JATLはJRAIAより、性能検定制度を公平・公正に運営するため、第三者機関として制度に関連する検査業務を委託されています。では、この検定証はどんな意味を持っているのか、少し、お話ししたいと思います。

この性能検定制度は、市場流通製品の性能を担保するため、製品の能力を抜取り検査するだけではなく、製造工場の届出に基づく試験設備の認定に係る工場審査、性能検定制度の対象となる国内販売製品の登録を合わせた、世界にも類を見ない厳しい制度になっています。

諸外国と最も異なるのは、JATLで管理しているJRAIA所有の試験設備を「原機」(4基)として、性能検定制度加入者が保有する試験設備「準原機」は定期的に校正試験が行われ、JATLが毎年ピックアップした工場に職員が訪問して校正試験に立ち会い、設備の管理状況を確認しています。JATLと校正された「準原機」は、国内に販売する製品を設計・製造する拠点の殆どにあり、その数は81基(2023年度)に及びます。

< JATL管理「原機」と性能検定制度加入者「準原機」例>

JATL管理「原機」と性能検定制度加入者「準原機」例

工場審査に合格した「工場」で製造され、「原機」との校正検査に合格した「準原機」で性能確認された機種を、性能検定制度に合格している機種として登録し、性能検定制度加入者はそれを表示するため、検定証を製品本体に表示することができます。この性能検定制度には、2024年11月現在、日本の主要メーカー14社が加入しています。

ルームエアコン、業務用パッケージエアコン、仮定法ヒートポンプ給湯器、ガスヒートポンプ冷暖房機の製品別に日冷工性能検定制度加入会社

この検定証は、製品の性能表示に問題無いことだけではなく、製造工場の性能品質管理体制や試験設備の管理についても検査を受けていることを証明する表示でもあります。JATLは第三者機関として、検定証の持つ意味を十分理解し、公平・公正にこの性能検定制度を運営しています。

岸本理事長所内講話

2024年11月

本年度就任された岸本理事長が11月12日に来所され、私たち職員に講話をしていただきました。「良い失敗のすすめ」と題して、日常業務において起こる失敗の考え方について参考になるお話がありました。

人間は失敗をするものであり、起こった失敗の責任の追及ではなく原因を究明し、失敗の要因を知識化することが重要、また、失敗情報を伝達していくことが大切であり、上手く行かなかった方法を教えることも効果があるなど、先人たちの失敗事例を挙げ、大変興味深いお話をしていただきました。

岸本理事長所内講話の様子

ASEAN試験機関との交流を再開

2024年11月

日本空調冷凍研究所(JATL)は、2012年よりこれまで、いくつかのプロジェクト活動において、ASEANのエアコン性能試験機関との間で能力可変形ルームエアコン(インバータエアコン)の性能試験技術支援を行ってきました。しかし、COVID-19パンデミックの期間は、現地で直接支援ができませんでした。そこで、これまでに築いた良好な関係を継続するため、今年度から、工場審査や研修で海外工場を訪問する際に、近隣の試験機関に立ち寄り情報交換をすることにしました。

9月にインドネシアを訪れた際は、B4T*、BRIN*を訪問、試験設備の稼働情報や状況等について意見交換を行いました。また、11月にタイを訪れた際には、EEI*を訪問し、大容量の新試験設備を見学することができました。JATLは、ASEANのエアコン性能試験機関の間で測定結果の差異を極力小さくするための活動を行ってきました。これからも試験機関を訪問し、交流を継続したいと思っています。

B4T:Center for Materials and Technical Products
BRIN:The National Agency for Research and Innovation
EEI:Electrical and Electronics Institute

スクリーンのイメージ
EEDAL’24参加イメージ
スクリーンのイメージ
EEDAL’24参加イメージ

重要な作業

2024年11月

空調機器の重要課題の一つに地球温暖化係数(GWP)の小さい冷媒に転換して行くことが求められています。それと同時に、機器からの冷媒漏れを無くし、廃棄時の冷媒回収率を上げることも地球温暖化防止には重要です。

家庭用エアコン(RAC)には工場出荷時に規定量の冷媒が室外機に封入されていて、RACの性能試験の際は、室外機と室内機を冷媒配管で接続します。試験室に据付け後、冷媒配管と室内機に高圧の窒素ガスを封入し、接続部に漏れがないかを必ず確認してから試験に移行します。そして、試験終了後に細心の注意を払って行う重要な作業があります。「ポンプダウン」という作業です。

日本空調冷凍研究所(JATL)では、一年の4分の3を空調機器の性能試験に費やします。通常、ご家庭では一度設置したRACは、交換や移設をしない限り「ポンプダウン」作業を行いませんが、私達は性能試験が終了する度に、この作業が必要になります。

RACの運転中は、下図左のように、室内機・室外機に冷媒が存在しますが、室外機に固定されているバルブ操作と室外機(圧縮機)の運転により、右のように室内機の冷媒を室外機に回収します。慣れれば問題の無い作業ですが、手順を間違えると大事故につながる事例もあり、製造者からの情報に注意して「ポンプダウン」作業を行っています。

<RACの室内・室外機の状態(イメージ)>

RACの室内・室外機の状態のイメージ

EEDAL’24に参加

2024年10月

欧州委員会の直属機関JRC(Joint Research Centre – European Commission)特別支援の下、株式会社住環境計画研究所と北九州市立大学主催のEEDAL’24(12th International Conference on Energy Efficiency in Domestic Appliances and Lighting)が2024年10月7日~9日に北九州国際会議場で行われ参加した。

EEDALは1997年から欧州諸国で開催されており、家電製品や照明などのエネルギー高効率化を目的とした国際会議で、省エネ技術、消費者動向、政策プログラム等における最新動向を議論する国際的なイベントとして位置づけられ、2017年に北米、2019年には中国で開催されるなど、国際交流の範囲が広がっている。今回の日本開催はハイブリッドで行われ、欧州を中心とする全22か国、188名が参加し、パラレルセッション、全24セッション83本の投稿があり、他にも、有識者による基調講演や特別講演が行われた。

当所からは、2021年~2022年に当所が参画したASEAN*1 CSPF*2 プロジェクトにおけるASEANのエアコン性能試験所に対する試験技術向上への取組みを発表した。
*1:Association of Southeast Asian Nations
*2:Cooling Seasonal Performance Factor

スクリーンのイメージ
EEDAL’24参加イメージ

ISO17025の要求事項

2024年10月

一般財団法人日本空調冷凍研究所(JATL)は、性能試験の信頼性を保つため、マネジメントの根幹となる試験品質の向上と業務管理の目的でISO17025(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)を取得しています。製造工場などのISO9001品質マネジメントシステムに相当する認証ですが、試験所特有の要求事項があります。

<試験所特有の要求事項例>
【JIS Q 17025:2018 (ISO/IEC 17025:2017) 参照】

試験所特有の要求事項例

JATLは、国際試験所認定協力機構(ILAC)の相互承認取決め(MRA)に署名している第三者の認定機関 【日本適合性認定協会 (JAB)】 によりISO17025の認定を受けています。JATLで行われるエアコンの性能試験及び試験結果はISO17025に適合しているので、試験報告書には認定を証明する認定機関のロゴマークが貼付され、ILACのMRAに署名している認定機関において有効なものとして国際的に受け入れられます。

性能試験の流れと業務内容

2024年10月

一般財団法人日本空調冷凍研究所(JATL)の試験部門では、空調機器やヒートポンプ給湯機の性能試験を行っています。私達の日常の試験業務をご紹介します。

<試験の流れ>

試験の流れの図

<試験員 ある日のスケジュール>

試験の流れの図

※試験業務にご興味がある方は、JATLホームページの「お問い合せ」からご連絡ください。

鳩 来所?

2024年9月

玄関エントランスに鳩一羽。
ドアを開けて出入りをしても、飛び立つこと無く じっと動きません。
来所のお客様にはいつも 「御用の時は左手にございますインターホンでお声がけください」とご案内をしていますが、鳩さん、事務所へのご用ではなさそうです。

毎年9月ごろ、所内では除草作業を行います。
草を刈った後は、虫などのエサを見つけやすいのでしょうか。
鳩は幸運の使いとも言われています。良い事が起こるかも知れません。

ルームエアコン用試験設備の室内側を写した説明用の画像

日空研業務管理システム 「J-CLIENT+」を開設

2024年8月

業務効率を改善するため、日常のルーティン業務をDX化するソフトウェア「J-CLIENT+(ジェイ・クライアント・プラス)」を導入しました。

J-CLIENT+(ジェイ・クライアント・プラス) Corporate Catalystのロゴマーク

昨年度、ソフトウェア会社と契約し、十分に構想を練って考えた詳細な仕様を基に完成、ようやく運用を開始することになりました。日本冷凍空調工業会の検定制度の運営を主体に、多くの方にご利用いただくため、セキュリティには万全を期した運用を目指しました。

Webシステムとして動作するこのアプリは、業務種別、及びメーカごとに分けられた個別のグループと日空研との間で、簡単・確実・安全にメッセージや電子ファイルの交換を行い、Eメールや電話での情報連絡をほぼ無くすことができます。また、このシステムでの情報交換は、リアルタイムチャット方式を採用しているため即時性にも優れております。

今後、多くの方にお使いいただき、より良いものになるようアップデートもして行きます。

ルームエアコンの能力試験(その2)

2024年8月

ルームエアコンの能力測定方法について前月ご紹介しましたが、もう一つ、世界中のエアコン性能試験所で採用されている方法があります。前回(その1)の「平衡式室形熱量計」は、能力がそれほど大きくないルームエアコン(家庭用エアコン)の試験に多く採用されています。しかし、この方式は能力が大きい業務用エアコンには向いていないので、小容量のルームエアコンにも使用できて、大容量の業務用エアコンの能力測定にも採用されているのが、「空気エンタルピー測定装置」と呼ばれている試験装置です。

ルームエアコン用試験設備の室内側を写した説明用の画像

上の写真は、ルームエアコン用試験設備の室内側を写したもので、室内機(青文字)は受風室(黄文字)の右端上方に設置されています。この装置で空気エンタルピーを測定してエアコンの能力を算出します。

その前に、ちょっと難しいですが、空気エンタルピーの説明をします。空気エンタルピーとは、ある状態の空気が持つエネルギーのことです。ごく簡単に言うと、温度と湿度の高い空気の方が、エンタルピーは大きくなります。次に、能力測定方法の考え方を説明します。

エアコンを一定の能力で運転し、次の①と②を計測します。(簡略化のため温度で説明)
 ①室内機が吸込む空気と室内機が吹出す空気の温度差 ΔT:温度差(熱量差)
 ②エアコンが吹出す空気の量 Q:風量(時間当たり)
①と②から、エアコンの能力を次の式で求めます。

エアコンの能力
⇒ ΔT × Q(熱量差×風量):単位W(ワット)

説明を簡単にするため温度でお話しましたが、実際は、湿度(湿球温度)も測定し、吸込みと吹出し空気のエンタルピー差を求めます。日空研では、二種類の試験設備を持ち、試験項目により使い分けています。

ルームエアコンの能力試験(その1)

2024年7月

 JATLではエアコンの能力試験を行っていますが、どのように計測していると思いますか?
長さや重さのように、比較的簡単に測定できるものではなく、色々な計測機器で測定した数値から熱量に換算し能力を求めています。少し解説しましょう。

 最初に、どのような試験設備で計測しているかをお話します。図は最も一般的なエアコンの能力試験設備の一つの構成図で、正式名称は、「平衡式室形熱量計」と呼ばれています。通称、カロリーメーターとも呼ばれており、その名の通り部屋の形をした大掛かりな熱量計になっています。図中には冷房能力の測定条件を示しています。

説明図

室内・室外側それぞれ二つずつの部屋を持つ二重構造で、エアコンを定常運転させた時、乾球温度、湿球温度を能力測定温度条件に合うように設備側の空調機で調節し、そこでバランスした時の熱量(加熱量、加湿量、冷却熱量等)からエアコンの能力を算出しています。

<冷房運転の場合:JIS B 8615‐1規格の条件>

室内側内室:乾球温度27℃/湿球温度19℃(湿度約47%)
室外側内室:乾球温度35℃/湿球温度24℃(湿度約40%)に調節します。

■室内側で何が起きているか?

エアコンは室内側の熱量と水分(これも熱量の一つ)を奪い、温度と湿度を下げるので、設備でその分を補充(調節)します。その補充した分がエアコンの冷房能力になります。

■室外側で何が起きているか?

エアコンは室内側から奪った熱量を室外側へ放熱します。そのままでは温度が上昇しますので、設備でその分を冷却(調節)します。その冷却した分もエアコンの冷房能力となります。

安定時に室内・室外側から求めた熱量は、通常一定の基準内でバランスするので、室内側の結果を代表値としてエアコンの冷房能力(単位:W)が算出されます。

情報公開を更新しました

2024年6月

2023年度事業報告書・決算報告書、2024年度事業計画書・収支予算書及び2024年度 役員名簿を掲載しました

情報公開のページへ

試験設備の測定精度について

2024年6月

 JATLではエアコンやヒートポンプ給湯機の能力測定に色々な計測機器を使用しています。高精度の測定を行うため、より精度(スペック)の高い計測機器を使用することがあります。また、測定の信頼性を確保するために、各計測機器において「測定の不確かさ」を指標にして測定の信頼性を管理しています。

 一般的に精度とよく言われますが、私たちが測定している対象製品の能力の「真値」は分からないので、測定結果がどれくらいの大きさでバラついているのかを評価しています。「誤差」とうい観点ではなく、「真値」は分からないという前提で、すべての計測項目において計測機器の「測定の不確かさ」を求め、最終的に対象製品の能力算出に必要な計測機器のすべての「測定の不確かさ」を合成することにより、対象製品の能力の「測定の不確かさ」を求めています。

説明図

 上の図は、「測定の不確かさ」と「真値」との関係を示したもので、日空研の全試験設備において、図中のUを求めています。また、このUの値がJIS規格内に入っていて、大きな変動が無いかどうかを確かめるため、すべての計測機器は一定期間で校正され、校正結果は国家標準につながったものであることが証明されています。

日空研の所在地 厚木市紹介

2024年6月

一般財団法人日本空調冷凍研究所(通称JATL)の所在地は神奈川県 厚木市です。

最寄り駅:
本厚木駅(小田急線)
新宿から快速急行で50分弱

※JATLへのアクセス:本厚木からバスで約35分
厚木市人口:
223,779(R6年5月)
(市のホームページより:住民基本台帳人口)
あつぎのランキング
本厚木駅:借りて住みたい街で4年連続となる第1位、買って住みたい街で第6位
(市のホームページより)
本厚木の場所。市章はあつぎの3字と鮎。3尾をもって「あ」の字型。市の木:もみじ。市の花:さつき

※不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME'Sの令和5(2023)年1月から12月までに掲載された1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の物件のうち、検索・問合せ数から算出した「実際に探されている町・駅」のランキング結果が発表され、本厚木駅が借りて住みたい街で4年連続となる第1位、買って住みたい街で第6位にランクインしました。

<本厚木駅>

本厚木駅の外観写真

<商店街>

商店街の様子

<あつぎOECフード>

鮎
とん漬け
とん漬
豚ホルモン
豚ホルモン

日空研の通勤事情

2024年6月

 一般財団法人日本空調冷凍研究所は、神奈川県厚木市上依知の内陸工業団地内にあります。正直やや?辺鄙なところにあり、通勤はマイカーが大半です。本研究所の職員は概ね10km圏内に住んでいて、距離の遠い職員で30分から50分くらいかかります。

 市街地からは離れていますが、本研究所では敷地内に駐車スペースが確保されており、自分で探す必要も余分な費用が掛かる心配はありません。敷地内に駐車できるので近くて便利です。また、大切な愛車であれば安全安心に駐車できるのも嬉しいところです。

 ただ、だからと言ってバス通勤ができないことはありません。小田急線の本厚木駅や海老名駅からは路線バスが出ています。どちらの駅からも35分くらいで路線バスが利用できます。

JATL周辺地図

引用元:Google社「Google マップ」

2024年度 ⽇空研期初会議を開催

2024年5月

 5⽉7⽇に2024年度⽇本空調冷凍研究所「期初会議」を開催しました。齋藤理事⻑にご出席をいただき、所⻑、並びに企画部、業務部、試験部の各部⾨⻑より、2023年度の総括と2024年度の計画について全職員に対して報告を⾏いました。

 会議の終わりに齋藤理事⻑より、エアコン性能試験において、今後、新しい試験⽅法が規格化されて⾏くので、⽇空研でも評価・検証が必要になる。また、試験⽅法に関して対外的に発表できるようになって欲しいとのご講評をいただきました。

リフレッシュ <健保ウォーク>

2024年5月

 ⽇常の仕事の息抜きと兼ね、休⽇には⽇空研が加⼊している管⼯業健康保険組合の主催する健保ウォーク(みかん狩り)に、家族と⼀緒に参加するようになりました。

 昨年のことですが、ウォーキングコースは津久井浜駅(京急線)から津久井浜観光農園案内所までの約1.5kmのコースで、到着後はみかん狩りを楽しむことができました。開催期間内であればどの⽇に参加してもOKなので、昨年11⽉の3連休の初⽇に参加しました。今回で3回⽬になりましたが、初⽇ということもあって、今までで⼀番混んでいました。

 みかんは、園内では⾷べ放題で、お⼟産も1kgまで⼊る袋を参加者全員に渡されます(家族3⼈で参加すれば3kgです)。おいしいみかんの⽊を探すのが醍醐味で、⽊によってもぜんぜん味が違います。毎年参加したくなるイベントの⼀つです。

みかんの木
みかん狩りの様子

フロン類取扱技術者証の更新

2024年5月

 空調機器に使⽤されている冷媒は、漏えいし⼤気に放出されると地球温暖化を引き起こす原因となります。そのため、特に冷媒量の多い業務⽤の冷凍空調機器について冷媒の充填、整備、点検などを実施し冷媒漏えいを防⽌する取り組みとして、技術者の教育および実務の向上を⽬的とした「第⼀種冷媒フロン類取扱技術者」という資格制度があります。

 この技術資格の有効期間は5年間で、更新には、更新講習を有効期限の1年前から有効期限までに受講する必要があります。この5年の間にフロン法は⼤きく変わっています。また、地球温暖化防⽌のための温暖化係数が⼩さい微燃性冷媒が登場し、⾼圧ガス保安法も改正されました。更新講習ではこれらの周囲環境変化を埋めるのが主な⽬的になります。

 私の受講資格は第⼀種で、業務⽤冷凍空調機器の保守サービスの実務経験を3年以上有し、かつ指定された資格の⼀つ以上を保有していることが条件となります。昨年⼀回⽬の更新を⾏いました。資格と聞くと不安になると思いますが、未経験であっても先輩のサポートもあり3年の間に、少しずつ理解が深まっています。

<新しい技術者証>

業務用冷凍空調機器冷媒フロン類取扱技術者証

日常業務の中の疑問点 <技術編>

2024年5月

 ⽇常業務の中では、疑問点や気になる点など⼩さなことから⼤きなことまで様々です。私が⾏っているエアコンの能⼒試験でも、規格や規則に従い試験をしていますが、時々疑問が発⽣しますので、その⼀例をご紹介します。

 ある時、エアコンの試験中に湿球温度計の⽔を補充した際に、⽔温の影響はでないのかな︖と疑問が浮かびました。何の話かと⾔うと、エアコンの能⼒測定には、湿球温度(湿度)の測定が必要で、温度計にガーゼを巻き⽔に濡らして測定しています。⼩学⽣の時に理科の実験で⾏った⽅法です。

 温度計は温度計測BOX内に⼊れて⾵速を管理し測定しているのですが、温度計測BOX内の⽔受けにある⽔は、蒸発して無くなって⾏くため⾃動供給できるようにボトルが⽤意されています。ただし、⻑く測定しているとボトル内の⽔も無くなるのでこのボトルに⽔を補充します。通常ボトルの中の⽔温は、その周囲の空気温度と同じですが、補充の際は、補充する⽔の温度とボトルの中の⽔温は異なります。⽔は他の物質に⽐べると⽐熱が⼤きいので、温度差のついた⽔を⼊れると、なかなか今までの温度にならないのでは︖⽔の温度が湿球温度の結果に影響するのであれば、能⼒測定の結果に影響してしまうと⼼配しました。

説明図

 結果としては、温度差のある⽔を注いでも、温度計測BOX内の⽔受けには蒸発分の⽔しか流れないので⽔温への影響は⼩さく、仮に温度計測BOX内の⽔受けを空にしてから供給しても、温度計測BOX内の⽔受けは量が少く30分程度で元の温度になることを確認し、本研究所の測定⽅法で⼼配ないことが分かりました。

日本空調冷凍研究所の役割

2024年5月

 ⼀般財団法⼈⽇本空調冷凍研究所(JATL)は、ホームページの動画でもご紹介しておりますように、2011年2⽉に設⽴され、市場に流通している家庭⽤ルームエアコン(RAC)、業務⽤パッケージエアコン(PAC)、家庭⽤ヒートポンプ給湯機(DWH)、ガスヒートポンプ冷暖房機(GHP)の性能試験を⾏っています。

 前⾝は、冷凍空調製品の性能品質を適正に評価することを⽬的に、当時の社団法⼈⽇本冷凍空調⼯業会機器性能検定所として1978年8⽉に開設されました。その後、時を経て、第三者機関として独⽴することになりました。

所在地
神奈川県厚⽊市上依知3003
内陸⼯業団地内
ロゴ
一般財団法人日本空調冷凍研究所のロゴ
略称
  • 日空研(にっくうけん)
  • JATL(ジャトル)
一般社団法人日本空調冷凍研究所
一般社団法人日本空調冷凍研究所

 JATLは、空調機器の機器性能試験所として⽇本で初めてISO/IEC17025(試験所及び校正機関の能⼒に関する⼀般要求事項)を取得しました。製造⼯場などのISO9001品質マネジメントシステムに相当する認証です。

 現在は、⼀般社団法⼈⽇本冷凍空調⼯業会が定めた「冷凍空調機器性能検定制度」において、対象製品の製造⼯場が保有する認定設備に係る⼯場審査、対象製品の機種登録、並びに製品検査の業務委託を主要に、お客様から依頼された空調機器の性能試験を⾏っています。

「日空研コラム」の新設にあたり

2024年4月

2024年5月より、これまでの「トピックス」に加えて「日空研コラム」を新設いたします。
日常活動や周囲環境、日空研が行う試験に関する技術情報などを自らの目線で紹介し、日空研をもっと知ってもらうことを目的としています。

これまでは業務活動を中心としたトピックスを掲載しておりましたが、COVID-19パンデミックにより、対外活動が減少し記事の更新も停滞していました。昨年より、ようやくパンデミックが終息し、以前の日常に回復、私達の活動も元通りに戻ってまいりました。

そこで、この機会に、私達の日々の活動や専門とする試験に対する取り組み、また、一旦、仕事から離れた日常など、このページを見ていただく皆様と共有したい情報などを紹介できるように「日空研コラム」を開設いたしました。続けて見ていただけるよう、工夫しながら発信してまいります。

一般社団法人日本空調冷凍研究所

2023年度 日空研 技術報告会を開催

2024年3月

3月12日に日空研において「技術報告会」を開催しました。これはテーマを独自に設定し、日常業務を通じて、また、独自の検証方法等により、研究活動の成果を発表する場です。数多くの試験を行う過程で気づいた課題や疑問を持ったデータなどを元に研究成果を発表し、毎回活発な討議が行われます。今年のテーマは以下の通りです。

「不確かさ値の計算方法の見直し」

エアコンの能力測定における不確かさを要因別に分析し、ISO/TS 16491に基づき計算方法を見直すことによる再評価について報告が行われました。

弊所では、技術報告会を自己啓発や能力開発の場として開催しています。

技術報告会の様子