2024年12月
エアコンの製品表面に、「検定証」と書かれたマーク(下図)が表示されているのを見たことがありますか? このマークは、日本冷凍空調工業会(JRAIA)が、空調機器の性能を担保する制度として1978年に設立した性能検定制度に合格している機種に表示されています。このマークが2024年10月から下図のようにデザインが統一されました。
この性能検定制度は、ルームエアコンから始まり、以降、業務用パッケージエアコン、家庭用ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、及びガスヒートポンプ冷暖房機(GHP)に拡大され、運用されています。
日本空調冷凍研究所(JATL)は、この性能検定制度に大きく関わっています。JATLはJRAIAより、性能検定制度を公平・公正に運営するため、第三者機関として制度に関連する検査業務を委託されています。では、この検定証はどんな意味を持っているのか、少し、お話ししたいと思います。
この性能検定制度は、市場流通製品の性能を担保するため、製品の能力を抜取り検査するだけではなく、製造工場の届出に基づく試験設備の認定に係る工場審査、性能検定制度の対象となる国内販売製品の登録を合わせた、世界にも類を見ない厳しい制度になっています。
諸外国と最も異なるのは、JATLで管理しているJRAIA所有の試験設備を「原機」(4基)として、性能検定制度加入者が保有する試験設備「準原機」は定期的に校正試験が行われ、JATLが毎年ピックアップした工場に職員が訪問して校正試験に立ち会い、設備の管理状況を確認しています。JATLと校正された「準原機」は、国内に販売する製品を設計・製造する拠点の殆どにあり、その数は81基(2023年度)に及びます。
< JATL管理「原機」と性能検定制度加入者「準原機」例>
工場審査に合格した「工場」で製造され、「原機」との校正検査に合格した「準原機」で性能確認された機種を、性能検定制度に合格している機種として登録し、性能検定制度加入者はそれを表示するため、検定証を製品本体に表示することができます。この性能検定制度には、2024年11月現在、日本の主要メーカー14社が加入しています。
この検定証は、製品の性能表示に問題無いことだけではなく、製造工場の性能品質管理体制や試験設備の管理についても検査を受けていることを証明する表示でもあります。JATLは第三者機関として、検定証の持つ意味を十分理解し、公平・公正にこの性能検定制度を運営しています。