新たな性能試験方法に向けて その1(背景)
2025年5月
エアコンの能力測定は、通常カタログに記載された能力値を出力するよう、製造業者の指定する方法により設定した状態で行っています。これは、国内の殆どのエアコンが、能力可変型(インバーターエアコン)になっているため、出力を固定するには製造業者からの情報提供が必要だからです。
しかし、この方法の場合、任意の運転状態でエアコンの能力測定はできないため、試験設備側に一定の熱負荷を与え、後はエアコンの温度制御に任せ、運転が収束した状態の性能特性を評価する試験方法が、日本を含めた国際規格の検討の場で議論されています。

この図は、従来の測定方法との違いの一例です。最終的に求めるのはエネルギー消費効率で一致していますが、その過程で異なっており、新測定方法では製造業者からの情報を特に必要としません。
日本では、東京大学や早稲田大学の研究室において、いち早くこの方法が検証されていましたが、ようやく、日本が先頭に立って国際規格化が加速しています。私たちは、この試験方法を「負荷固定試験」と呼んでいます。